今話題の佐賀県武雄市図書館に行ってまいりました。
この図書館はいわゆるみなさんの知っている図書館ではありません。本が買えます。スターバックスがあります。コーヒーを飲みながら本を読めます。気に入ったら買えます。そしてもちろん借りることができます。
そんな図書館です。
それはTSUTAYAさんが指定管理者として武雄市図書館を運営しているからできるのです。
樋渡前市長が武雄市図書館のサービス内容に疑問を抱き、TSUTAYA級のレベルにならないかと思い始めました。
しかし、なかなかそう簡単にはいきません。ところがTSUTAYAレベルにならないのならいっそのことTSUTAYAにやってもらったらよい!という考え方で実現したまったく新しい図書館です。
その新しいサービスとは開店時間を拡大(朝9時から夜21時)したこと、そして年中無休にしたことです。
年間の開店時間が従来の1.7倍になり、しかも経費は以前よりも10%程度削減できたそうです。
この図書館ではこのマガジンストリートで雑誌を売っています。発売されたばかりの新しい雑誌がとてもたくさんあります。しかも、その雑誌は立ち読みどころか、コーヒーを飲みながら座って読むことができるのです! そしてまた元に戻して帰る。気に入ったら買えばよい。そんな施設見たことありません。
しかも、本を借りるためには皆さんがお持ちのTSUTAYAのカードが使えます。しかも、ポイントがつくのです。
何と素晴らしいサービスでしょう。
閉館時間が遅いので、観光が終わった観光客も地元の情報を得るために来館するそうです。
週末は駐車場がいっぱいになります。そんな時は隣近所の駐車場に止めます。それでも文句はでません。人が集まることで経済効果が生まれているからです。
また、ここで借りた本は武雄温泉でも返却できるそうです。
元来、本屋と図書館は敵対する立場にあります。本を読むためには「借りる」と「買う」手段があります。借りるには図書館で、買うのは本屋でした。どちらかでユーザーが満たされれば残りは手段として切り捨てられます。よって図書館と本屋は敵対していました。
ところが、この武雄市図書館は「借りる」と「買う」を両立させている点でイノベーションなのです。ユーザーが大満足しています。同じ場所で「借りる」か「買う」かを選ぶことができます。また、コーヒーと読書は相性がよい。スターバックスのコーヒーでライフスタイルを充実させることができます。イノベーションとは何もゼロから新しいものを生み出すことでありません。既存のサービスを組み合わせるとそれがイノベーションになるという典型的な例だと思います。
世間ではワークライフバランスの充実が叫ばれ、より働かない方向へ向かっています。開店時間を1.7倍にしたことは、ある意味世の中と逆行しているようにも見えます。しかしながら、このようなサービスがあって初めて市民のワークライフバランスが豊かになるのではないでしょうか。従来の固定概念を壊し、市民目線で発想できた。それが成功の原因です。
また昨年できたこども図書館を見てきました。
子どもも親御さんも楽しそうです。
大人もこどもも本に囲まれて生活しています。まち全体が市民の読書をサポートしています。
なんだか武雄市民が羨ましくなりました。
「人が集まる」武雄市役所も訪問してきました。その模様はコチラからどうぞ。この市役所も相当面白い!
本日お時間を割いてくださった錦織課長、五光建設の光武部長お忙しい中ありがとうございました。
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