打本渉社長
月星製作所は自動車用特殊精密部品を製造するメーカーです。石川県加賀市を本拠地とする創業71年目の優良企業です。
打本渉社長とは近藤先生が講師を務める北國銀行のエグゼクティブカレッジで知り合いました。
打本社長は企業の発想力と社内コミュニケーション力を向上させるべく「空間一新」をテーマに企業改革を進めておられます。今回は月星製作所の設計部門のオフィス改革をご紹介します。
株式会社月星製作所のココがスゴイ!
1.間接部門のオフィス改革で企業価値アップを目指す!
2.固定パソコンでフリーアドレスを実践した!
3.これだけの改革を3.5か月でやり遂げた!
工場では直接利益を生まないオフィスへの投資はおざなりになりがちです。製造部門への投資に目が向きがちですが、この会社のスゴイところは製造部門ではない設計部門のオフィスに投資し大幅にリニューアルしたところです。
社員のモチベーションを上げて、「ここで働きたい!」と思わせるオフィス作りこそが企業価値をあげるという打本社長の斬新な発想がこの改革を生み出しました。
おしゃれなカフェスペースとリラックスして作業できる畳コーナーがあります。
そして、社員の健康を考えて上下昇降デスクがいたるところに配置されています。
とても斬新なオフィスです。見学者もとても多いそうです。これならリクルートでもこのオフィスは活用できそうですね。
次にスゴイところは、フリーアドレスの常識を打ち破ったところです。通常、フリーアドレスを導入するにはモバイルパソコンが必須だと言われています。
ところが、月星製作所はCAD用のパソコンを固定したままフリーアドレスを実践しています。一人一台のCADではなく、デスクだけではなくCADすら共有してしまおうという発想です。
日中CADを使わずに現場で打合せしている社員が多く、CADの稼働率は実は低かったそうです。そこでCADは社員数より少ない台数を設置し、共有することにしました。
また、同時にモバイルPCも配布しました。
CADでしかできない仕事はCADで、それ以外の仕事はモバイルPCで行うようにしました。結果、CADの台数とデスクの台数は減り、作業面積も25%圧縮できました。
その分、ワークスペースを有効活用し、コミュニケーションを目的とした場所やゆったりとした作業を実現することができました。
とても狭く感じたオフィスが今では広々。オフィス改革による省スペース化の事例です。
最後のスゴイところは、ここまでのオフィス改革を3.5か月で完成させた企業力です。社長の決断を支えるプロジェクトチームのスピーディーな実行力。これが会社を変え続けることができる唯一の推進力かもしれません。
企業を変革する意欲とそれを実行する力。素晴らしい会社だと思いました。
加賀の地から日本の工場とオフィスの関係を大きく変える可能性を発信していって欲しいと心から思いました。
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