働き方改革とは、大企業だけが実施可能というわけではありません。
中小企業も実施可能であり、むしろ中小だからこそ本気で取り組む価値があります。
こちらで、中小企業が働き方改革を進めるメリットや想定される課題、成功させるポイントについて解説いたします。
また、働き方改革に取り組む際に知っておきたい、助成金についてもみていきましょう。
働き方改革の取り組みをすぐに実施できるのが、中小企業のメリットです。
そもそも働き方改革には、経営陣の意思決定が欠かせません。
そのため、経営者と従業員の距離が近い中小企業のほうが、大企業よりも行動に移しやすいとされています。
また、働き方改革に本気で向き合う社長の姿勢を、従業員は身近で感じることができます。
社長は働き方改革を実施するにあたり、スタッフ一人ひとりのことを考えなければなりません。
その気持ちが強ければ強いほど、社員のモチベーションは上がっていくもの。
自社の結束力を改めて見直せるのも、中小企業が働き方改革に取り組むメリットといえます。
とはいえ中小企業が働き方改革を実施するにあたり、次のような課題があります。
こういった課題をクリアするためにも、社内環境を円滑に取りまとめるリーダーが必要です。
中小企業では、スタッフ一人ひとりのスキルを最大限に活かすことが重要です。
「人材」というワードが、中小企業の働き方改革を成功へと導くカギとなるでしょう。
個人のスキルを最大限に活かすためには、どのように育てるかがポイント。
たとえば、教育担当者がコーチング に特化した人材育成を始めてみるのはいかがでしょうか。
個人の成長を支援するパーソナルコーチングは、大企業よりも中小企業のほうが取り入れやすい側面もあります。
社員が一人いなくなるだけで、業務の負担を大きく感じやすい中小企業。
離職率を下げるためにも、時短勤務やノー残業デーを作るなど、勤務体制を整備するとよいでしょう。
2015年に電通総研がシニア層を対象に実施した調査では、調査人数2,600名のシニアのうち、男性57.2%、女性54.0%が「働きたい」との結果がでました。
出典:定年退職後も仕事を継続する人が多数派に【電通総研「シニアx働く」調査】│MarkeZine(マーケジン)
「人手不足を解消したい」と思ったときに、働き盛りの世代ばかりに注目していませんか?
高い意識を持つシニア世代を確保することも、ぜひ視野に入れてみてください。
働き方改革を推進している企業には、ありがたいことに国や自治体からの助成金が支給されます。
北陸では特に、厚生労働省からのを活用することをおすすめします。
1.時間外労働等改善助成金
労働者災害補償保険の適用事業主を対象とする、「時間外労働等改善助成金」。
成果目標を達成したかどうかによって、補助金の支給額が変わります。
たとえば「所定労働時間の短縮」の成果を達成した場合、補助率4分の3、上限額50万円 という条件で助成金が下ります。
また、時間外労働等改善助成金は5つ のコースに分かれています。
自社の抱えている課題に合わせて、各都道府県の労働局から助成金の申請を行うようにしましょう。
※助成金に関する記載は、2018年時点での情報です。
参考:労働時間等の設定の改善(時間外労働等改善助成金)│厚生労働省
2.人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)
人材不足を解消するにあたり、「魅力ある職場」を創出し、現在就業している従業員の職場定着率を高めなければなりません。
そのためには、事業主が以下のような雇用管理を導入または見直しすることが求められます。
雇用管理の改善により離職率が低下し、なおかつ目標達成につながれば、厚生労働省から助成金が下ります。
それが、「人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)」なのです。
目標達成助成57万円(生産性要件を満たした場合は72万円)
※生産性要件 とは、たとえば「助成金の支給申請を行う直近の会計年度における「生産性」が、その3年度前に比べて6%以上伸びていること」などが挙げられます。
※助成金に関する記載は、2018年時点での情報です。
参考:
労働生産性を向上させた事業所は労働関係助成金が割増されます│厚生労働省
中小企業に求められるのは、スピーディーな働き方改革の実施と評価です。
賃金制度や人材育成を見直すことで、社内環境がますます良くなります。
助成金も活用しながら、働き方改革のお手本となる企業を目指してみませんか?