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なぜ今、働き方改革が必要なのか?実施して得られるメリットとは?

なぜ今、働き方改革が必要なのか?実施して得られるメリットとは?

平成30年7月に関連法律が正式に交付され、事実上のカウントダウンが始まった働き方改革。長時間労働の是正やワークライフバランスの改善などを目的とする法案ですが、そもそもなぜ今、働き方についての改革が必要とされているのでしょうか。ここでは、働き方改革が必要な理由や、実施することによって得られるメリットについてご紹介します。

 

 

なぜ今、働き方改革が必要とされているのか?

 

働き方改革では長時間労働を規制し、有休取得の取得率を向上させるなど、「労働時間の短縮」に重きを置いている印象です。また、同一の仕事をしている社員には同一の賃金を支払う、といった平等性にも配慮が求められています。

 

確かに、雇用者1人1人の労働条件を改善し、ワークライフバランスの良い環境を整えることは企業の理想でもあるでしょう。しかし、それがなぜ「今」でなくてはならないのか、という疑問には、国内における以下の現状が影響しています。

 

  1. 共働き世帯にフィットした働き方が求められている

総務省「労働力調査」によると、平成28年時点での共働き世帯は1,129万世帯となっており、全体の6割以上を占めています。総務省統計局「平成27年国勢調査」では、特に平成22年以降からの共働き家庭が占める割合の上昇率が高まっており、結婚後も就業を続ける女性が急速に増えていると読み取れます。

 

平成10年頃を境に、共働き主流の時代へと既に転換していることを考えると、共働き世帯にフィットした働き方の推進が急務であることは明白だといえるでしょう。

 

  1. 共働き増加による少子化を食い止める

共働き世帯の増加は、女性が結婚後も正社員として、フルタイムで働く機会が増えていることを意味しています。女性が働きながら出産、育児を選択するためには、残業時間の制限や有給を取りやすい環境の整備が必要です。

 

また、女性だけに家事や育児の負担がのしかかることへの懸念から、子どもを持たない選択をする夫婦も少なくありません。共働き世帯の増加による少子化を食い止めるためには、女性だけでなく男性の労働時間も改善する必要があるのです。

 

  1. 高齢化社会を支える仕組み作りが必要

働き方改革では少子化対策だけでなく、高齢化社会を支える仕組み作りにも焦点を当てています。出産や育児に加え、介護を必要とする高齢者のケアが必要な家庭も増加しています。少子化による影響で、今後働き手となる生産年齢人口が減少することも考えると、多様な働き方を受け入れなければ、企業にとっても痛手となってしまうでしょう。

 

 

働き方改革を実施することで得られる利益

 

なぜ今、働き方改革を実施する必要があるのかについては上記の通りですが、働き方改革を実施することは企業にとってもメリットとなります。働き方改革で得られる主な利益は以下の通りです。

 

  1. 国から助成金が受けられる

実際に働き方改革を推進している中小企業は、国に対して助成金の申請が可能です。この助成金は「職場意識改善助成金」と呼ばれており、以下のようなコースがあります。

 

  • 時間外労働上限設定コース:時間外労働削減、上限設定
  • 職場意識改善コース:有給促進、所定外労働削減など
  • テレワークコース:在宅、サテライトオフィス勤務推進など
  • 団体推進コース:組合、連合会等での改革推進
  • 勤務間インターバル導入コース:就業から次の始業までの休息時間を延長

 

支給額については計画や達成度合によっても変わりますが、都道府県労働局(テレワークコースは日本テレワーク協会)へ申請することにより、コースによっては最大で150万まで助成金が受けられます。

 

  1. 勤務時間中の効率を上げられる

働き方改革を実施し、労働時間の削減や有給取得を推進することで、結果的に勤務時間中の効率アップがはかれます。

 

  1. 離職率の抑制、定着率の向上

ワークライフバランスが改善されることで、社員が会社で働くことに対して幸せを感じやすくなります。家庭の事情などで勤務が困難となる状況が緩和されたり、同一の仕事を同一賃金に設定することにより、結果として離職率の抑制や、定着率の向上に繋げることが可能です。

 

 

具体的にどのような施策を行うべきか?

 

働き方改革によって、企業と雇用者の両方がメリットを享受するためには、具体的にどのような施策を行うべきなのでしょうか。以下にいくつかの例を挙げてみましょう。

 

  1. 個別面談を行い、適宜配置換えを行う

現在の勤務状況にどの程度負担があるのか、家庭内でどのような問題を抱えているのかは、社員によってさまざまです。個別の面談を通して改善点を探り、配置換えや繁忙期における対策などについて適切な施策を行うことが大切でしょう。

 

  1. 業務報告による見える化の徹底

働き方改革を実施するにあたり、現在の業務において効率化やスピードアップができる余地がないか、無駄な業務がないかについて、業務日誌の細分化などによって見える化します。

 

  1. シフトの導入や有給消化月間の設定

繁忙期にシフト制を導入することで労働時間を軽減したり、閑散期に有給休暇の取得を奨励するシーズンを設けるといった取り組みも有効です。

 

 

まとめ

 

働き方改革を行うことで、企業全体の問題点を見つけることも可能です。社員1人1人の現状を把握して経営のブラッシュアップを行えば、全体での勤務時間が短縮されて人件費が抑えられ、増収に繋げることもできるでしょう。

 

参考資料:

内閣府「男女共同参画局」

http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h29/gaiyou/html/honpen/b1_s03.html

 

総務省統計局「平成27年度国勢調査」

http://www.stat.go.jp/data/kokusei/2015/life.html

 

厚生労働省「労働時間等の設定の改善」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/jikan/index.html

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