部署間のコミュニケーションを密にし、新しい価値を創造しやすくすることを目的にして、フリーアドレスのオフィスに変更する企業が増えています。
しかし、単純に毎日違う椅子に座れば良いというものでもありません。成功しているオフィスは、戦略的にそれぞれ目的をもったエリアを、うまく組み合わせてオフィスの設計をしています。
この記事では、オフィスを構成する様々なエリアについて知り、フリーアドレスにはどんなエリアが必要なのかご紹介します。
オフィスのエリアは、ベンダーや施工会社によって、いろいろな定義・呼称がありますが、大きく執務エリア、会議エリア、コミュニケーションエリアの3種類に分けられ、それぞれに細かい分類があります。
オフィスの全面をフリーアドレス化する場合は、それぞれ狙いを持ったエリアをうまく組み合わせていくことが重要です。
以前は全面フリーアドレスにするのが当たり前で、一部だけのフリーアドレスは管理部門など導入が難しい部署が仕方なく取り入れることが多くありました。
しかし最近は「部署間」ではなく、あえて「部署内」のコミュニケーション活性化を図ることで、創造性よりも生産性の向上を狙う一部フリーアドレスも増えています。
一部フリーアドレスにする場合は、フリーアドレスの目的を考慮して、執務エリア、会議エリア、コミュニケーションエリアなど、どんなエリアが必要なのかを検討すると良いでしょう。
それではオフィスを構成するエリアをもとに、フリーアドレスに必要なエリアについてみていきましょう。
◯通常の執務エリア
執務エリアは、メインとなる業務を行うエリアです。
社員の行動の起点となるので、各エリアにアクセスがいい場所に設定します。
◯集中作業エリア
通常の執務エリアとは別に、業務に集中したい場合に使用する集中作業エリアです。
コミュニケーションエリアやオープン会議エリアから離して、人の声が聞こえにくい場所に設定することが重要です。
◯固定席エリア
フリーアドレスといえども、ハイパワーのパソコンが必要だったり、管理業務として紙の書庫が必要など、業務によってどうしても固定席が必要な場合があります。
固定席エリアは、通常のフリーアドレスの執務エリアに近接して、または混在させて設置する事がおすすめです。
◯会議室エリア
完全に区切られた会議室を設置するエリアです。
会議室不足は多くのオフィスで課題となりがちですが、後述するオープン会議エリアを併設させることによって、会議室のスペースを削減することができます。
◯オンラインMTG、電話ブースエリア
オンラインMTGを実施したり、電話を頻繁に行う際に使うエリアです。
わざわざエリアを設けない場合もありますが、営業部門の人数が多いなど業務内容によっては設定したほうが、業務効率が上がる場合があります。
このエリアはどうしても大声を出しがちになってしまいますので、集中作業エリアから離した場所に設定する事がおすすめです。
◯オープン会議エリア
会議スペースだが、完全には区切られていないスペースを設置するエリアです。
コミュニケーションエリアと併用したり、混在させる事もおすすめです。
大きなプロジェクタやモニタを用意して、全体会議なども行える設計にすることで、情報共有や意識統一が図りやすくなります。
◯カフェテリア
雑談やランチの時に、気軽に使ってもらえるエリアです。
部署間コミュニケーションの場としてや、リフレッシュ空間としての機能のほか、社員の帰属意識の向上にもつながります。
◯スタンディングデスクエリア
オープン会議エリアと併用でもかまいませんが、スタンディングデスクを複数用意したエリアを設けることで、短時間のミーティングを社員が気軽に行えるようになります。
長い会議を少数回行うよりもコミュニケーション不足解消が図れるため、意思決定がスピーディになるのがポイントです。
個人ロッカーなど備品を収納するエリアです。
フリーアドレスでは自分のデスクに荷物を置いておくことができないため、個人ロッカーを用意する必要があります。オフィスの入口付近に個人ロッカーを設置することで、出社後すぐに業務を開始することができます。
これらの各エリアを戦略的にレイアウトすることで、フリーアドレス導入の成果は大きく向上します。専門家とも相談しながら、自社に最適なオフィスをデザインしていきましょう。