カタニ産業株式会社様
2025.3.7

今回ご紹介するのは、石川県・金沢市に位置する「
カタニ産業株式会社」様です。
金沢本社をリニューアルされるとのことで、家具・什器のご提案・納入のお手伝いをさせていただきました。
1階はフリーアドレスを採用した管理部と営業部のオフィス。
オフィスの常駐時間が比較的長い管理部は固定席、外出することの多い営業部はフリーアドレス席と、働き方によって最適なオフィスのゾーニングとなっています。
こちらの明るいオレンジのチェアが並ぶデスクは営業部のフリーアドレス席。

壁にぴったりと収まるように設置された個人用ロッカーから必要な物や資料のみを取り出して、その日作業する席に向かいます。

実は以前も既存のロッカーが壁にぴったりと収納されていて、今回ロッカーの取り換えを行う際にサイズの合うロッカーを選びました。1cmほどの隙間しかないほど見事にぴったりと収まっています。

白とナチュラルな色調の木目調、アクセントカラーにオレンジ色で構成された明るい空間となっています。壁際のデスクは造作で設計も弊社で担当しました。アールの曲線を描いたデスクはオフィスの柔らかい雰囲気にもフィットしています。

中央に置かれたコピー機には吸音効果のあるパーテーションを採用。
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コピー機を囲むようにして、管理部のデスクが並びます。
明るいベージュ色のチェアで落ち着いた雰囲気に。チェアのカラーを分けることで、営業部のフリーアドレス席とのメリハリがオフィスに表現されています。
天井のルーバーも相まってオフィスが一段と広く感じられます。
2階に上がる階段に灯る照明は、町家の風情と独特な妖しさを放っています。
2階は総合デザイン室のオフィス。
1階とは雰囲気がまたガラリと変わり、今回のリニューアルを機に露わになった天井の梁は圧巻です。
耐震補強を兼ねて、梁を支える鉄骨を追加したのですが、デザイン室の社員さまが自ら調色してペンキを塗られたという赤色の鉄骨が空間のアクセントとなっています。

作業スペースの長いデスクの奥には、なんと撮影スペースがあります。商品の撮影もデザイン室の皆さま自ら行われるとのことで、壁には撮影用の備え付けスクリーンが3色。撮影台は手動で拡張できるテーブルを造作で製作しました。

こちらの階段とシェルフが合わさったようなシェルフも造作で製作したもの。シェルフの上に被写体を置き、階段に上って俯瞰して撮影できるようにするためとのこと。壁際に配置されているのも、窓から自然光を利用して撮影をするため。アイデアが素晴らしいです。
そしてガラスのパーテーションを隔ててお隣には、大きなモニター付きのミーティングルームがあります。

少し照明が暗く重厚感のあるお部屋のデスクは、
Cassina ixc.(カッシーナ・イクスシー)の
AIR FRAMEの会議用テーブル。
David Chipperfield(デイビッド・チッパーフィールド)がデザインした、強度と軽さを兼ね備えたアルミハニカムパネルを採用したデスク。薄いアルミパネルと薄い木天板を合わせた、エッジが効いたシャープでモダンなフォルムが特徴です。

そして、奥にはカタニ産業さまの自社製品などをディスプレイした造作棚。中央の目を引くパネルは、真鍮箔を貼り合わせています。色味がそれぞれ異なり、なんとも神秘的な輝きを放っています。棚にはダウンライトが備え付けられ、ディスプレイ仕様に。

2階には休憩室も設けられています。
町家ならではの中庭の景色を楽しむことができます。撮影時は冬の季節でしたので、隣り合う町家と木々にあしらわれた雪吊り、そして少し雪を被った山茶花の眺めが美しかったです。

金沢は全国の金箔生産量のほぼ100%を占めていることは、ご存知でしょうか。
カタニ産業さまは、明治32年に金箔製造を始められました。
120年余り金沢に根付き、また金沢を象徴する金箔産業を続けられています。
泉鏡花記念館からも程近い、金沢の伝統的で美しい町屋が残存する尾張町。
本社と併設した店舗では、商品の販売のほかに金箔貼り体験も行われているとのこと。
是非金沢らしいひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか。
〈担当より〉
カタニ産業様と一緒にオフィスを考えるお手伝いをさせていただき、非常に私自身も楽しくいい経験をさせていただきました。
今後も何かお困り事がございましたら、是非尽力させていただきます。今後とも末永くよろしくお願いいたします。(1階担当:堀)
いつも皆様の豊かな感性と、それに沿った建築の計画に感銘を受けております。
このお部屋から、素晴らしい商品が生み出されることと思います。ご活躍お祈りしております。(2階担当:西島)