新型コロナウイルスをきっかけにして、企業ではリモートワークが急激に広まっています。元々働き方改革の一環として注目されていたリモートワークですが、どうしても業務への影響を考えて導入が進んでいませんでした。
しかし、緊急事態宣言中に導入して業務に大きな支障がないことが判明すると、そのメリットが注目されて引き続き導入する企業が増えています。
リモートワークの最大のメリットは、従業員満足度の向上と経費の節減です。
従業員満足度に関しては、通勤時間の削減によるストレスの軽減や活用できる時間の増加があげられます。企業の経費節減に関しては、通勤がなくなることによる通勤手当の減少のほか、オフィス自体を縮小することで、大きな経費削減が可能となります。
このように、リモートワークはそもそもメリットの非常に多い取り組みですが、導入に当たって問題がないわけではありません。それは自宅でのリモートワーク環境の問題です。
自宅でのリモートワークの環境整備では、インターネット回線、机、椅子、パソコンがまずは最重要で整備すべき項目だといえるでしょう。
その中でも、健康面を考えると、最初に揃えるべきなのは、椅子なのではないでしょうか。
自宅でのリモートワークをするにあたって、取り急ぎリビングを仕事場にしている人は多いと思います。しかし、リビングのダイニングチェアーは、オフィスの椅子とは異なり、長時間座ることを前提にして作られてはいません。
そのため、長時間のPC作業をしていると、疲れやすいだけでなく、腰を痛めてしまう、姿勢が悪くなって猫背や肩こりも併発してしまいかねません。
自宅でのリモートワークによる、腰痛や肩こりを防止するためにも、椅子選びは最重要事項だといえるでしょう。
椅子の選び方のポイントは大きく3つあります。
<オフィス向け椅子を選ぶ>
オフィス向けの椅子は、長時間でのパソコン作業にあわせて、年々改良が加えられてきました。各社から多種多様なモデルが発売されています。低価格なものもありますが、在宅勤務を快適にするには少し機能の多い15万円程のオフィスチェアがおすすめです。
これを機に、座り心地の良いオフィス向けの椅子を購入してみてはいかがでしょうか。
<角度調整部が多いものを選ぶ>
オフィス向けの椅子は、同じ姿勢でいることを前提としていません。
例えば、効率良くPC作業を行うには、リクライニングの角度が重要ですが、デスクトップのPC作業に向く角度は105度、ノートPCは95〜100度、小型ノートPCや文字を書くのなら90度、とツールや作業によって最適な角度は異なります。それ以外にも、動画を見たり休憩などで角度を変えたい事は多いのではないでしょうか。
角度調整部が多い椅子なら、少し価格帯は上がりますが、長時間作業の疲れをかなり軽減できるでしょう。
<実は椅子だけではなく机の高さも重要>
またPCでの作業の際には、机の高さも大事なポイントです。
机に手を置いたとき、ひじの角度が90度になっている体勢がもっとも良い高さだと言われます。高さを調整できる机もありますが、それよりは椅子を選ぶ時に高さ調整ができる椅子を選ぶ方がコストパフォーマンス的にもおすすめです。
PC作業にともなう腰痛や肩こりは、さすがに椅子だけでは完全に防ぐ事はできません。
こまめなストレッチや運動も大切です。
スクワットでの下半身の強化のほか、腰や肩甲骨周りを回すなどのストレッチを仕事の合間に意識的に組み込むことが重要です。
リモートワークをはじめて椅子を選ぶ時には気づかないのですが、あとから気づいて大きな後悔となるのがキャスターの傷でしょう。
オフィスの床は基本的にカーペット素材ですが、自宅はフローリングのことがほとんどだと思います。床が傷つかないように、キャスターがゴム素材のものを選ぶほか、それでも全部は防げないので、傷防止用のマットやカーペットなどを購入するのもおすすめです。
最後に、快適な椅子を導入することで、腰痛やお尻の痛みが解消されるほか、常に安定した姿勢で仕事をすることは集中力アップにもつながるでしょう。
今後、自宅でのリモートワークはどんどん広がっていくはずです。
自宅の環境整備をしっかり整えて、健康を大切にリモートワークに取り組んでいきましょう。