職場の問題点や課題について、多くの経営者は改善したいと考えます。しかし、具体的にどのように解決すればいいのかがわからず、結果として放置されてしまうことも少なくありません。
ここでは、職場の問題点を解決するための具体的な取り組みについてご紹介します。また、問題点を放置した場合のリスクや、改善によって得られるメリットも併せて解説していきます。
職場において、もっとも問題となりやすいのは、コミュニケーション不足によるものです。職場環境の中で、コミュニケーション不足による問題点を放置したことによって起こり得るリスクには、以下のようなものがあります。
問題が拡大化する
伝達漏れやちょっとした指示ミスは、どの職場でも起こります。そういったミスがどのようにカバーされるか、どの程度抑えられるのかが大切です。
コミュニケーション問題の放置は、常に拡大化するリスクを持っています。最初は1人のちょっとしたミスだったものが、時間の経過とともに多くの人を巻き込んでしまうのです。
業務効率の低下
意見の食い違いや思い違いのある状態で業務を続けていると、意味のない作業や二度手間なども発生する可能性が高まります。
「どうも全体の業務がスムーズに行えていない……」と感じながらそのままにしていると、無用な残業が増加するリスクも出て来るでしょう。
社員の定着率が悪くなることも
職場環境の見晴らしが悪いと、業務以外の問題も見過ごされがちとなります。さまざまな事情で退社を思い詰めている社員がいるかもしれません。何らかのハラスメントが発生している場合もあるでしょう。そういった問題が放置されている職場では、社員の定着率も低下してしまいます。
コミュニケーション不足を放置すると、間違った情報による業務が他の部門へ影響を与えたり、無駄な業務が続き、残業の原因となります。あるいは人間関係によって居心地の悪い職場の雰囲気を作り出す原因にもなりかねません。そういった環境をまず見直すことが、職場の問題点を改善する第一歩となるのです。
職場におけるコミュニケーション不足による問題を改善すると、以下のようなメリットが得られます。
確認や連絡がスムーズになり、業務が効率化する
職場環境の改善によって、コミュニケーションが活性化すれば、業務の効率化へと繋がります。確認ミスによるやり直しや、指示の繰り返しを避けることで、同一の業務にかかる時間が短縮されます。会議やちょっとしたミーティングも実施が容易となれば、新規事業やプロジェクトも進めやすくなるでしょう。
改革や改善が実施しやすくなる
社内全体で改革や改善を実施する際にも「なぜそれを行う必要があるのか」「その変更によってどのようなメリットがあるのか」を共有することで、部署を越えた協力やチームワークの強化が期待できます。チームワークを強化することは、改革や改善を推し進める大きな力となるでしょう。
社員が個々に抱える問題を迅速に解消できる
職場環境の風通しを良くすることで、社員が個々に抱える問題の解消が容易になります。たとえば、他の部門や上司との連携がうまく取れない場合、職場の垣根を越えてアドバイスが受けられるようなデスク配置にするとあっさり解決することがあります。
前述の通り、職場のコミュニケーション不足による問題点は、環境改善によって解消が可能です。職場環境改善を目的とした取り組みには、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。いくつかの例を挙げてご紹介します。
フリーアドレスの実施
個人のデスクを廃止して、社員が自由に座席に座るフリーアドレスを実施します。部署間の垣根を取り払い、同じメンバーと定位置にいる環境をなくすことによって、コミュニケーションの活性化が期待できます。作業スペースが流動的になると、人間関係もフラットに保ちやすくなるでしょう。
気軽なミーティングができる空間を設置
閉鎖された大きな会議室の代わりに、少人数でミーティングができるスペースを設置します。数人で行う気軽な会議をこまめに行うことで、コミュニケーションが密になります。複数のミーティングが常時行われている環境であれば、個別に呼び出して相談に乗っても、目立つことがありません。
リフレッシュスペースの設置
仕事の手を止め、軽い休憩ができるリフレッシュスペースは、ストレス軽減に役立ちます。集中力を長く保つことは意外と難しく、数分の休憩を取ることで、その後の作業効率のアップも期待できます。「オフィス環境が開放的である」というだけでも、社員の定着率や精神衛生に良い影響があるでしょう。
職場の問題点は、コミュニケーション不足から発生しやすいものです。放置すると、問題が拡大・深刻化する傾向にあります。社員が健康を保ち、働きやすい職場を実現するためには、環境改善に積極的に取り組むことが大切となるでしょう。