リモート会議はこれまで、本社と支店や支店間での会議など、大人数がいる会議室と会議室をつなぐものが多かったと思います。しかし、新型コロナウイルスによって急速にリモートワークが浸透してきている昨今は、リモート会議の形も複雑になってきました。
そのため、今までになかった問題が生まれていますが、そのひとつが会議におけるリアルとオンラインの混在です。リアルとオンラインが混在すると、どうしてもオンライン側が意見を出しにくくなってしまい、会議の意味が薄れてしまいがちです。そんなリモート会議の問題を、音声や映像の工夫で改善する方法をまとめてみました。
新型コロナウイルスの感染拡大で、リモートワークの需要は増す一方です。
緊急事態宣言が取り下げられたあとも、今回のパンデミックをきっかけに、出社しなくてはいけない業務が何なのか?
改めて見直しを行う企業も増えています。
またリモートワークだけで勤務できる環境を実現できた企業では、自社が立地する地域だけでなく、全国の優秀な人材をリクルートすることができるようになってきており、未対応の企業とは大きな格差が生まれつつあります。
しかし、すぐにフルリモートに切り替えられる企業はまだまだ少なく、また過度期ゆえの課題も散見されます。そのひとつがリモート会議です。
全員がリモートの場合のオンライン会議では、参加者みんなが共通の会議システムにログインすれば良いだけですので、とくに問題はありません。
難しいシチュエーションとしては、社内にいるのが複数人で、オンライン参加も複数人いるという会議の場合です。
どうしてもリアルで参加している人たちのコミュニケーションだけが密になり、オンラインで参加しているメンバーは聞いているだけといった状態になることが多いようです。これではオンライン側の不満も高まり、リモートワークという働き方も浸透しなくなってしまいます。
この課題を解決するポイントは、音声・入力映像・出力映像の3つです。
これらのポイントをしっかり対策すれば、リアルとオンラインのギャップを埋めることが可能です。それぞれにちょっとしたコツや便利なツールなどがありますので、紹介していきます。
3つの要素のうち、最初にやっていただきたいのが音声の改善です。
リアルで開催している会議の会場側の音声は、会議システムに複数人ログインしていても、あえて1つのPCでの入出力に絞るのが得策です。
複数人がスピーカーやマイクをオンにしていると、ハウリングの原因となります。ハウリングは地味にオンライン側の集中力を奪うため、まずこのルールを取り入れてみてください。
また1つのPCで音声の入出力を行う場合は、マイクは会議用マイク・スピーカーを利用すると集音性能としても非常に快適です。
逆に1台のPCでは、オンライン側の声が聞こえにくい場合があります。
そのため、どうしても各自のPCで音声をやり取りしたい場合は、
・全員イヤホンをする。
・原則音声はミュート。発言するときのみミュートを解除する。
といった運用方法が必要です。
音声がストレスなく綺麗に聞こえるだけで、リモート会議の質は大きく変化します。
ぜひ取り入れてみてください。
リアル側が複数人の場合、PCのカメラを使用していると発言している人が遠くに映り、発言者のジェスチャーやトークの雰囲気が十分に伝わらない場合があります。
こういった場合は、会議にかかっている人件費も加味すると、広角カメラや360度カメラを会議室用に購入して、参加者全員がある程度の大きさで映るようにセッティングしてしまうのも会議の質アップという文脈では非常に意味があります。
また出力側の映像も重要なポイントです。
リアルで会議している方はリアル参加者だけを見てしまい、PCに目がなかなか落ちなくなります。そのため、会議室のディスプレイやプロジェクターにPC画面を投影して、オンラインのメンバーが大きく表示されているとリアルとオンライン間のディスカッションも活発になります。
ここまで、いろいろと対策を書きましたが、すぐに改善することが難しい場合もあります。
そこで、リアルで全員そろうことができない場合は、いっそリアル側も全員オンラインで参加するのも有効な手です。
リアルとオンラインの格差が少なくなり、意思疎通もスムーズになるでしょう。
今後、新型コロナウイルスの感染が治まったとしても、リモートワーク導入の流れは止まることはないはずです。リモート会議をスムーズに運営できるかどうかは、企業の生産性向上に大きく関わりますので、まずはできることから取り入れてみてはいかがでしょうか。