優秀な人材を確保したいと願うのはどの企業も同じだと思いますが、そのためにオフィス環境の整備を実践している企業とそうでない企業があります。両者間には確実な差が生まれることでしょう。以下でその理由を詳しくお伝えします。
優秀な人材の確保・定着にオフィス空間が重要な理由
企業が優秀な人材を確保し定着させるためには、オフィス空間を社員にとって心地よいものにすることも重要です。
優良企業と言われる企業のホームページなどを見てみると、その多くが仕事に集中できる環境にこだわっているのはもちろんのこと、そのほかの部分にも力を入れているのがわかるでしょう。
たとえば、社員同士のコミュニケーションを図れるスペースや、仕事の合間にリラックスできる休憩スペースなどの確保です。
仕事ができる人、ポテンシャルが高い人ほど、仕事をする環境がいかにパフォーマンスを左右するかを理解しています。そうした人材は、デスク周りの作業スペースの快適性だけではなく、集中して仕事をこなした後に一息つける休憩スペースや、社員同士がモチベーションを高め合える環境にも重きを置いていることが多いものです。
似たような条件の求人であれば、オフィス環境に特に魅力的な部分がなさそうな企業よりも、そこで働く社員のことを考えて環境を整備していることがわかる企業で働きたいと考えるのはごく自然なこと。
社員の自社への愛着・目標達成へのモチベーションの高さのことをエンゲージメントと呼びますが、近年では社員のエンゲージメントを高める目的で社内のリラクゼーションスペース、カフェスペースなどに力を入れる企業も増えています。
創造的なオフィスが生産性向上やイノベーションを引き出す
弊社オフィスで実践する一例として、「常に人が行き交うオフィスの中央にカフェスペースを設置」しているというものがあります。その結果として、所属部署を問わない社員同士の自然なコミュニケーションが生まれ、休憩中にも社員同士の結束・仕事へのモチベーションを高めることができています。リラックスしている時間の他愛ない世間話の中から、仕事に生かせるアイデアが生まれることも多々あります。
従来のオフィスイメージにこだわらない、数々の工夫を取り入れた創造的なオフィスは、生産性向上・イノベーションを引き出すことにもつながります。
快適なオフィス環境が優秀な人材を確保し、離職を防ぐということは何となく理解しているものの、具体的にどのように整備すれば良いのかわからないという担当者の方もいることと思います。
そこでここでは、弊社が実践しているオフィス整備の事例も交えて具体例をご紹介します。
社員が自由に集まれる共有のコミュニケーションスペース
どのような仕事であっても、組織で働く以上は社員同士のコミュニケーションが不可欠です。たとえ一日のほとんどが一人で黙々とパソコンに向かって作業するような業務内容だとしても、チームで良い成果を生み出すためには、互いにコミュニケーションを図り、結束力を高め合いながら仕事に臨むことは重要と言えるでしょう。
先述した弊社のカフェスペースの存在は、部署の垣根を越えたコミュニケーションの活性化に大いに役立っていると実感しています。
先ほど、社員のエンゲージメント向上のためにカフェスペースを設置する企業が増えていることにも言及しました。社員がいつでも自由に集まり、リラックスしながら会話を弾ませることのできるスペースが社員同士の結束力・社員の職場への愛着を高めることは間違いありません。
固定席のない、気分に合わせて自由な場所で働ける環境
弊社では、社員一人ひとりが固定の座席に着席するのではなく、その日の気分や業務内容によって自由に座席を選べる「フリーアドレス」を採用しています。
それに加えて「昨日と同じ座席には座らない」というルールも設けています。昨日と今日で必ず座席を変えることにより、何日も同じ座席に座っている場合には得られないようなインスピレーションを得るきっかけにもなります。
フリーアドレスの大きなメリットは、今関わっているプロジェクトのメンバー同士で近い座席に座り業務を効率化できること。そして、従来の座席システムであればなかなか関わらない、違う部署の人とも隣り合ったことを機に気軽なコミュニケーションを取れること。
それらが新たな企画・コラボレーションにつながることもあります。仕事のスペースを固定されない自由は、社員のモチベーション向上の一因にもなっています。
【いまのオフィス環境に対する弊社社員のコメント】
オフィスが新しくなって心地いいのはもちろんですが、毎日掃除するようになったのはとてもいい事だと思います。今まで掃除の習慣がなかったので、朝の掃除はオフィスをきれいに保つこともでき、掃除をしながらの何気ない話もコミュニケーションとなっていると思います。
私は固定席ですが、近くに複合機、ゴミ箱、コーヒーサーバーなど社員が集まってくるので、話している内容で情報を共有できていることもあります。総務の業務の内容からなかなかフリーアドレスとはいきませんが、たまには違うデスクで仕事をしてみるのもいいかと思っています。(総務部 山岡一美)
企業の理念や文化が反映されたオフィスが人を惹きつける
弊社での実例2点を主にご紹介しましたが、オフィス整備の際に最も大切なのは、企業の理念・文化を反映したオフィス環境をつくるという点です。
それを踏まえた快適な環境が実現できれば、自然と人を惹きつけ、優れた人材が集まるオフィスとなることでしょう。
今回の例も参考に、自社にとってベストな環境の構築を目指していただけると幸いです。