良いオフィスに共通していることは、「社員の働きやすさ」を第一にした環境が整っていることではないでしょうか。今回は、弊社で取り入れている実例を交えながら、働きやすい環境づくりについて考えていきます。
毎日固定の座席に座るのではなく、自由に着席して業務を進めるフリーアドレス。どこでも仕事ができる、「オフィス全体が執務エリア」とも言えるシステムです。
弊社では「昨日と同じ座席には座らない」というルールがあり、このルールによってさまざまな人とのコミュニケーションが広がったと実感しています。
部署ごとに座席が決まっている従来の職場環境では、席が離れている人と会話する機会は少なく、どうしてもコミュニケーションの範囲は狭くなってしまいます。一方、フリーアドレスでは、その時に関わっているプロジェクトのチームメンバーと隣同士で着席することもできますし、近い席にいる他部署の人と話す機会も自然と増え、コミュニケーションの活性化が期待できます。
さまざまな社員とのコミュニケーションの機会が増えることで、一日ずっと同じ座席で黙々と作業を続ける場合には得られないようなアイデアや、新たなコラボレーションを生み出せる機会が増えるのです。
働きやすいと言える職場環境の要素のひとつには、「仕事に集中しやすい」ということも挙げられます。自分の仕事に集中するというのは当たり前ではありますが、実際に社員が高い集中力を保ち続けられる環境づくりを意識しているかというと、返答が難しい企業も多いかもしれません。
弊社では「集中エリア」と称した、集中力を高めることを目的とした空間が用意されています。
この密室空間は、集中が必要な作業に特に適したスペースです。他の社員の視線で気を散らすことなく、作業に没頭できます。
さらにデスクトップPCだけで業務をおこなうのではなく、タブレットPCやデュアルディスプレイモニターを取り入れています。持ち運びやすいタブレットPC、モバイルPCは、フリーアドレスとの相性も抜群。
ところで、デュアルディスプレイモニターにはあまり馴染みがない、という方も少なくないかもしれませんので、そのメリットにも少し触れておきましょう。デュアルディスプレイとは文字通り、パソコン一台に2つの画面が備わったもののことですが、これは実際に使用してみると想像以上に無駄な作業を減らし、生産性を高めてくれることに気付きます。
例えば通常のパソコンでは、複数のページを同時に閲覧したいとき、何度もタブを切り替えなくてはならなかったり、ウインドウの大きさをその都度調整しなくてはならないことを手間に感じることがあるかと思います。
デュアルディスプレイモニターであれば、常時2つのウインドウを開いておけますので、このような作業を必要とすることなく、同時進行で複数の作業を進めやすくなります。
こうしたアイテムを業務内容に合わせて活用することで、効率アップが見込めます。よりストレスの少ない、快適な作業環境をサポートするものと言えるでしょう。
集中力を高め、パフォーマンスを発揮するためには、心身ともにリラックスできる時間も不可欠です。弊社ではオフィスの真ん中にラウンジを配置することで、社員がリラックスしやすいスペースを確保しています。
エスプレッソマシーンを囲んで一息つきながら、社員同士の自然なコミュニケーションが誘発されるスペースとなっています。リラクゼーションスペースの最重要ポイントであるリフレッシュ効果に加え、ここでもコミュニケーション活性化を図ることができます。
ラウンジや社内カフェなどのスペースにこだわり、快適性を追求することは、従業員の満足度に直結します。
今回ご紹介した例のように、目的に合わせた多種多様なスペースを用意することは、オフィスで過ごす一日にメリハリをつけ、適度な気分転換を促します。業務中の時間が単調に感じられないようにする工夫によって、創造性が高まるオフィスを作ることができます。
一方で、無駄を省き効率性を追求することも、良いオフィスづくりには必要でしょう。無駄を省くとは言っても単純に仕事を減らすだけではなく、上記のモバイルPC・デュアルディスプレイモニターなどの機材を取り入れるケースのように、新しいものを導入することで結果的に無駄な時間を省けるといった事例もあります。
そして、どのような業務内容であっても身体が資本です。良いコンディションを保つことが良い仕事へとつながりますので、身体的な快適性も大事なポイントです。リラクゼーションやリフレッシュを促す空間によって、社員のモチベーションも上がります。
今回、さまざまな実例をご紹介しましたが、オフィス環境において何より重要視したいのは、社員同士がコミュニケーションを取れるスペースを確保することではないでしょうか?情報共有と意思疎通が円滑におこなえる環境では、業務の効率も向上するのは言うまでもありません。さらに仕事以外の話も自然としやすくなることで、社員同士の結束も高まることでしょう。