昨今、働き方改革の一環として、いかに無駄な会議を減らし生産性を高めるかが課題となっています。
一方で、これからのビジネスでは多様性を持った社員が、自由に対話することによって、新しいアイデアを創造し、イノベーションを起こすことが求められています。
単純に会議を減らすのではなく、より意味のある会議を増やしていくためのポイントとして、会議室をどうデザインするかが注目されています。
オフィスを移転・リデザインする際、まず悩むポイントの一つに会議室の数があります。
会議室の数は、その会社がどのような会議をどのくらい行うかによって必要な数が大きく異なるので、社員何人に対していくつ必要といった具体的な数値はありません。
基本的には現在の会議室稼働率から、次に移転が必要な人数を加味して考えて設定するのがベターです。
会議室の稼働率は高ければ高いほど良いというわけではなく、一般的に70%を越えると、取りたい時に取れないといった、業務に支障を感じるレベルとなるので、最大でも70%程度に抑える想定での設計が必要です。
逆に40%を下回るようであれば、無駄なスペースになってしまっている可能性が高いため、他のスペースに流用するなどの見直しが必要になります。
また会議室の広さと実際の使用人数も併せて調べることで、より正確な会議室の数を予測できるでしょう。
オフィスの移転はタイミングや規模・所在地によって、したい時にしたい場所で行えないといった事がよくあります。そのため十分な会議室の数を確保できないこともあるでしょう。
どうしても会議室が不足する場合は、外部の会議室を利用する事をおすすめします。
都度のレンタル利用料を払う形や、一括で借り上げる形など手法としては2種類があります。
最近では通常の貸し会議室だけでなく、カラオケボックスや居酒屋・コワーキングスペースのほか、空きスペースのマッチングサービスなどもあり、用途に応じて使い分けることができるようになっています。
以前は会議室と言えば、完全に部屋として区切られた会議室が一般的でしたが
最近ではいろいろな形態の会議室があります。
組織内の緩やかな情報共有や、偶然のアイデアを生むといった目的で多様な会議室が検討されるようになってきていますのでご紹介します。
・オープン会議室
執務室と完全にしきりがない、会議室というよりは会議スペースというべき場所です。
オープンな場所での会議になることから、途中参加がしやすかったり、異なる部署の人ともコミュニケーションをとりやすくなるため、意見が活発に出やすくなる点がメリットです。
また省スペースで数多く作れることから、「会議室の予約をとる」という作業がなくなります。
何かアイデアが浮かびそうなときに気軽にミーティングをすることができるようになり、業務のスピード感が一気に向上する点もおすすめポイントです。
ただオープンだと声の大きさが問題になりがちなため、あまり大人数での会議に向かないほか、守秘義務のある会議では使えないというデメリットもあります。
・ブース型、パーティション型会議室
しきりが人の高さぐらいまでの会議室です。
最近はファミレスタイプの会議室が多く導入されています。半個室のような雰囲気があり、オープンすぎず、かといって個室でもないちょうど良さが人気です。
自社での会議での活用はもちろんですが、来客者との打ち合わせなどを、よりリラックスした環境で行える点にメリットがあります。
・カフェ型会議室
レクリエーション目的のカフェスペースなどに設置された会議室です。
来客用でも社内ミーティングでも活用しやすい形です。リラックスした雰囲気で対話が弾むため、意見が多く出やすくなります。
またお洒落な会議室を来客に案内できる事で、従業員のモチベーションの向上にもつながるようです。
・スタンディング会議スペース
立って利用する高さのテーブルを用意すれば、簡単な打ち合わせが可能です。
スタンディング会議スペースでの会議は、会議時間のスピードアップが見込めます。
立って会議をすることで「早く終わらせたい」という気持ちが高まるため、発言が多くなり議論が活発化すると言われています。
また立っている事で、眠気防止になるほか集中力も高まるため、短時間で集中した良い会議が行えるでしょう。
昨今では、会議でどのような成果を出したいのかに応じて、様々な会議室の形態が生まれています。オフィス移転などの際には、現在の状況把握から自社の将来のあるべき姿をイメージして会議室を設置するのがおすすめです。
様々な事例に詳しいプロに相談するなど、多くの情報を集めて、よりよい会議が生まれるオフィスにしていきましょう。