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フリーアドレスはエンジニアにとって不向き?

フリーアドレスはエンジニアにとって不向き?

オフィスのフリーアドレス化は、部署を越えた社員間のコミュニケーションを活発化させることで、社員の創造性を高めることができることから、近年採用する企業が増えてきています。
一般には営業・企画職が多い企業ほど取り入れやすいと言われていますが、最近は不向きだと言われている職種でもフリーアドレスで成果を出している企業が現れています。

 

■フリーアドレスは職種によって向き、不向きがある

 

フリーアドレスには職種によって向き、不向きがあります。

営業のように社外とのコミュニケーションや社内での会議・調整が多く、また集中して長時間行う作業が少ない職種は、比較的フリーアドレスに向いている職種と言えます。また社員の在席率があまり高くない業種ほど取り入れるのが簡単です。

逆に長時間在席して、集中して作業を行うことが多いシステムエンジニアなどの職種は、フリーアドレスにはあまり向いていない職種と言えるでしょう。

 

また、そもそもフリーアドレス導入のメリットは、異なる部署間での会話の促進による新しいアイデアの創出です。アイデアの創出よりも実現のための実務作業を行う職種に関しては、フリーアドレスのメリットを活かしにくい場合があります。

また機密性が高いデータを扱う業種も、ペーパーレス化を進めにくいことからフリーアドレスが難しい職種だと言えます。

 

■集中作業が多いエンジニアにとってはストレスの場合も

 

最近はフリーアドレスのオフィスも増えてきましたが、社員によってはかえってストレスとなる場合もあります。その典型的な例が、集中して作業をすることが多いエンジニア職の社員です。

以前は固定された席で作業に集中できていた社員が、非常にオープンな席・場所になったことで周りから話しかけられたり、周囲の会話が気になったりして作業に集中できなくなるといった問題があります。

この場合、オフィス内に集中ブースを設置するなど、周囲の誰もが集中して作業しているスペースを設置する工夫が必要になってきます。

 

■マシンパワーがいるデスクトップPCが必要な場合、フリーアドレスは難しい

 

エンジニアの業務にもよりますが、マシンパワーが必要な容量の大きいデータを扱う作業が多い場合は、ノートではなくデスクトップPCを用意したほうが効率的です。

デスクトップPCは持ち運びできないため、従来の固定席のほうが向いている場合があります。またデュアルディスプレイでの作業も、近年では当たり前になってきています。このような作業環境の整備を考えると、席が固定されている方がまだまだやりやすい場合があります。

 

■メリットもある

 

しかしエンジニアと言っても実際の業務はさまざまで、フリーアドレスがメリットとなる業務もあります。近年、プログラミングの際にはペアプログラミングといって、2人でプログラミングを行う手法が取り入れられるようになってきています。この場合は、フリーアドレスにすることによって業務の活性化が期待できます。

ペアプログラミングとは、1台のPCで2人のプログラマーが共同で開発を行う手法です。自動車レースのラリー選手権のように、1人がプログラム入力役、もう1人がナビゲーター役としてサポートを行います。

この方式のメリットはミスの減少です。ケアレスミスはもちろん、コードの誤りや仕様違反などをナビゲーターがチェックすることで減らすことが可能です。
それ以外でも、内容の詳細を知るプログラマが2人になることで問題解決が容易になるほか、技術の共有・チームワークの向上といったメリットがあります。

ペアプログラミングには、小さな区切りや一定時間で役割を交代するというルールがあります。だいたい30分から1時間程度で役割を交代し、場合によってはペア自体も交代してしまいます。1人のプログラマーだけに負担がかかるということがなくなるため、残業や休日出勤がなくなるなどの働き方改革の一環としても注目されています。

ペアプログラミングという手法は、一定時間での役割の交代というルールがフリーアドレスと親和性が高いほか、技術の共有・チームワーク向上という目的がフリーアドレスの目的と合致します。そのためフリーアドレスの導入を考えている場合は、ペアプログラミングの導入もあわせて検討してみてはいかがでしょうか。

これまでエンジニアの多い職場では、フリーアドレスは向いていないと言われることが多かったですが、エンジニアの新しい働き方が注目されるようになり、フリーアドレスのメリットを活かしやすくなってきました。

ペアプログラミングは比較的経験の浅いエンジニアが多い職場に向いているため、20代や30代の社員が多い職場から導入すると結果も出やすいでしょう。ぜひ参考にしてみてください。

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