「フリーアドレスを導入したが成功しなかった」
「フリーアドレスが失敗した原因がわからない」
こんな事例を耳にすることがあります。だだ、フリーアドレスは、ただ形を真似て導入しただけでは、うまく機能しないことも多いです。
ここでは、フリーアドレスのメリット・デメリットに加え、正しい導入や運用方法の重要性について解説していきます。
まずは、形だけのフリーアドレス導入がうまくいかない理由について考えてみましょう。
自社にフィットする家具選びとレイアウトが重要
「フリーアドレス」とひとくちに言っても、実際にフィットするレイアウトは会社によって違います。元々の広さや間取りはもちろん、動線や書類の保管場所など、実際に仕事をする社員が使いやすいものでなければ、その機能を充分に活かすことは難しくなります。
サンプルや設置例を見て「これがいい」と思ったとしても、それが本当に自社へフィットするものなのか、プロのアドバイスを聞いてみたほうがいいでしょう。
社員の理解が不十分だと使いこなせないこともある
「フリーアドレスのメリットや活用方法について、社員全体が正しく理解していない」
これも導入成功を難しくします。特に後述するITツールなどについて、社員のリテラシーが高くない職場の場合、うまく使いこなせない事態も懸念されます。従来の配置とフリーアドレスの間に差異が大きいほど、事前の周知や理解が重要となるのです。
フリーアドレスを活かせるツールや環境の整備ができているか
フリーアドレスの導入には、ペーパーレス化やフリーWi-Fi、その他ITツールの導入も欠かせません。これらの設備が整っていないと、せっかくのフリーアドレスも不便なレイアウトとなってしまいます。フリーアドレスの導入とともに、これまで紙に頼っていた作業やアナログな業務については、やり方自体を見直す必要があるでしょう。
フリーアドレスの導入によって、オフィス改革が成功する企業と失敗する企業には、どのような違いがあるのでしょうか。
働き方改革の導入を前提とした企業は成功しやすい
フリーアドレス導入には、働き方改革の実施を前提としたほうが成功しやすい傾向にあります。フリーアドレス自体は、1990年代から存在しているオフィスレイアウトです。それが最近になって見直されている背景として、フリーアドレスが働き方改革にフィットしている点が挙げられます。
多様な働き方に対応し、活発なコミュニケーションをかなえるフリーアドレスは、働き方改革の推進を助けます。
コミュニケーションと自主性が成功の鍵
社員全体に自主性が少なく、部門間のコミュニケーションが少ないままでフリーアドレスを導入すると、社員が戸惑ってしまうケースが多々あります。部門間のコミュニケーションが不十分な場合、オフィスの形だけをフリーにしても「誰がどこにいるかわからない」「それを誰に聞いていいかもわからない」といった事態を招いてしまいます。
フリーアドレス化によって変更される業務の方法やペーパーレスの手順など、社員間で事前の打ち合わせは必要です。導入後に問題点が見えてくることもあるでしょう。従来の働き方を改革するためのフリーアドレスであるなら、ある程度長い目で見ていくことも大切です。
段階的なフリーアドレスという選択肢も
「働き方改革の実施がまだ途上である」
「部門によってITリテラシーに差が大きい」
「来客が多く、ある程度定位置を確保する必要がある」
このような課題がある場合、「グループアドレス」や「チームアドレス」など、小規模なフリーアドレスを検討してみるのも一案です。
フリーアドレス導入の目的について、正確に理解するためのポイントは以下の通りです。
「何のためのフリーアドレスか」が明確になっている
フリーアドレスを導入するにあたり、目的を明確にしておくことが大切です。「何のためにフリーアドレスを導入する必要があるのか」が理解できていれば、導入で失敗することは少ないものです。多くの場合、働き方改革にともなったフリーアドレス化であるほど、業務に好影響を及ぼすこととなるでしょう。
自社のスペースや営業スタイルにフィットしている
間取りや広さに合ったフリーアドレスを導入しなければ、高価な費用を投じても使い勝手の悪いものとなってしまいます。自社の営業スタイルや改革の進捗、社員の理解など、多角的な視点で最もフィットする形を選択することで、効果的な導入・運営が実現するでしょう。
まとめ
フリーアドレス導入で失敗を防ぐには、まずフリーアドレスを導入する目的を理解することが重要です。専門家のアドバイスを取り入れつつ、効率的なオフィス改革を実現してみてはいかがでしょうか。