畳に腰を下ろして、素の自分に戻るくつろぎの時間。
和室には、ゆっくりと穏やかな空気が流れ、居心地の良い空間を作り出しています。
ではなぜ、わたしたち日本人は和室に落ち着きを感じるのか、その理由を探ってみましょう。
日本家屋の文化と言えば、玄関で靴を脱いで室内にあがることです。
素足になってくつろぐには、やはり畳が最適です。
足裏にわずかな弾力をもたらし、足の疲れも癒える効果があると言われています。
フローリングではスリッパを履くことも多く、素足だからこそ感じられる心地良さが十分に得られないのです。
また、畳に使用されるイグサの香りには、脳の疲労を和らげ、心を安定させる作用もあります。
まさに、天然のジャパニーズアロマと呼べるでしょう。
これらの理由から、和室は日本人にとって家の中のオアシスであり、心身共に落ち着いた時間を過ごせる空間でもあるのです。
子供部屋に和室を選ぶ家庭は少なくなっていますが、和室で幼少期を過ごし、畳に布団を敷いて眠る習慣がある子供たちは、学校などの集団生活においても落ち着きのある行動がとれると言われています。
その主な理由として、本来持つ日本人の遺伝子に合った畳の暮らしが、子供の心を安定させ、生活に落ち着きを与えると考えられています。
このような観点から、子供部屋に和室を選ぶことが見直されています。
例えば、畳に合う木の温もりを感じるシンプルな学習机を、和室(子供部屋)のインテリアに選ぶのも良いでしょう。
また、和室には収納たっぷりの押し入れもあり、寝具や衣類などが整理しやすいメリットもあります。
和室は部屋としての機能だけではなく、様々な役割を果たしています。
例えば、来客の際、お通しするのが和室であれば、それだけでもお客様をおもてなしする上で特別な印象を与えることができます。
また、書斎がなくても好きな本を和室で読むことで、カフェや家のリビングとも違う、自分だけのゆとりの時間を持つこともできます。
その他にも、ベッドで眠れない時は和室に布団を敷いて横になると、自然と落ち着いて、眠気を誘う効果もあります。
このような理由からも、和室は日本人にとって、かけがえのない「ゆとり」の空間と言えるでしょう。
落ち着きとくつろぎは、和室のある暮らしから始まります。
忙しい現代だからこそ、ライフスタイルに和を取り入れてみてはいかがでしょうか。
和室は、日本人の心に寄り添った優しさと機能を兼ね備えているのです。