日本の工業規格のマークと言えば、真っ先に思い浮かぶのはJISマークです。
例えば電化製品や日用品などで目にする機会がありますが、実は家具にもJIS規格が認定されている商品があることをご存知でしょうか?
家具のJIS規格にはどのようなものがあるのか、家具のJIS規格はどのように決められているのかなどついてまとめてみました。
JIS規格とは「日本工業規格」を指します。
英語の「Japanese Industrial Standards」の頭文字をとり、一般的には「JIS規格」と称されています。
JIS規格は工業製品の耐久性、安全性などを規格化することにより、日本の技術力の向上や国際競争力をつけるための工業基準値のことです。
わかりやすく言うと製品の種類やメーカーの垣根を越えて、「JISマークがついている商品なら大丈夫」と国が認定してくれている太鼓判のようなものと言えましょう。
家具にJISマークがついているということは、安全性が認められているということです。
机や椅子に体を安心して預けても、強度や耐久性に問題がないと保証してくれているのです。
それでは、家具のJIS規格にはどのようなものがあるのでしょうか?
身の回りの家具を中心に紹介いたします。
家具は「日用品」に該当するので「S」のカテゴリに分類されます。
JIS S1017 家具の性能試験方法通則
JIS S1018 家具の振動試験方法
JIS S1061 家庭用学習机
JIS S1062 家庭用学習いす
JIS S1200 家具-収納ユニットー安全性の試験方法
JIS S1202 家具-いす及びスツール-強度と耐久性の試験方法
JIS S1203 家具-いすー直立形のいす及びスツールの安定性の試験方法
JIS S1205 家具-テーブル強度と耐久性の試験方法
ちなみにオフィス家具や事務用品なども、同じ日用品カテゴリでのJIS規格が設けられています。
家具のJIS規格はどのような基準で決められているのでしょうか?
椅子やスツールを例にとって見てみましょう。
椅子やスツールのJIS規格を決める際には「強度」「安定」「耐久」を重視してテストを行います。
例えば強度なら、椅子やスツールに加わる最大限の力を与えても、その機能を発揮できるのか、時々加わる急激な力でも強度を保てるかのなどの試験を実施します。
耐久性テストでは長期間にわたって使用する際に繰り返し行われる動作によって受ける衝撃を、座面や背もたれなどの部位ごとに想定して負荷をかけ続けるなどの実験を行います。
安定性では転倒しやすい状況で椅子やスツールが通常の機能を発揮できるかどうかの試験をしたり、前脚後脚それぞれの方向からの安定性などもチェックしたりします。
このようにあらゆる事態を想定したテストを繰り返し行い、認められた製品だけにJISマークがついているのです。
JIS規格は椅子やスツール以外の他の家具にもついています。
身近な家具のJISマークを見つけてみてはいかがでしょうか。