家具にも素材が色々ありますが、天然木を用いた家具は自然で美しい木目や木の香りがカントリースタイルのインテリアにぴったりです。
しかし、自然木を使用するということはお手入れにも注意が必要です。
自然木の中でも今回はパイン材のお手入れについて紹介します。
パイン材は自然の木からそのまま切り出した木材です。
この材料となるのはマツ科の木で、欧州や北米などを産地としています。
パイン材は白から薄い黄色の色味をしていて、種類によってクリーム色やバター色など微妙な違いながらも様々な風合いが楽しめます。
木目が柔らかで、また材質も硬度が低く柔らかで加工がしやすいのが特徴です。
しかし、硬度が高くないため強度が必要なものにパイン材を用いるのは控えた方が良いでしょう。
パイン材だけでなく自然木の家具全般に言えることですが、木は生きているため温度や湿度によって膨張や収縮・反りが起こります。
そのため家具が変形するということも特徴です。
乾燥するとパイン材は収縮し、湿度が高くなると膨張してきます。
これにより梅雨時期は引き出しが硬くなったり扉が閉まらない、といったことも起きる可能性があります。
そういう時は無理に閉めず、自然に閉まるようになるまで待ちましょう。
パイン材の家具は乾拭きが基本となります。
普段のお手入れは、綿100%の柔らかい布で乾拭きをしましょう。
汚れがひどい時には固く絞った濡れ布巾で拭き、すぐに乾拭きをします。
パイン材の家具は塗膜を作らない塗装をしているので、水は大敵です。
水などをこぼしたら素早く拭き取るようにしましょう。
コップの輪染みなどの染みは、残念ながら落とすことができません。
経年によるパイン材の色変わりとともに、目立たなくなるのを待ちましょう。
汚れ防止のためにテーブルクロスなどのカバーをかけておく方が無難な気もしますが、それでは肝心の木目が楽しめなくなってしまいます。
また、ビニールクロスでテーブルを覆ってしまうと、木の呼吸を妨げることになるため、部分的にランチョンマットやコースターを使うといいでしょう。
また、家具の設置場所にも配慮が必要です。
変色を防ぐためにも、直射日光のあたる場所はできるだけ避けましょう。
冷暖房の風があたると部分的に乾燥することがあるため、割れや反りが起きる恐れがあります。
冷暖房の風も直接あたらないように注意しましょう。
パイン材の家具は2~3年に1回程度、ワックスをかけるなどのメンテナンスをおすすめします。
メンテナンス時期は使用頻度にもよって異なるので、使用頻度の高いダイニングテーブルなどは、もう少しメンテナンスの頻度を高めても良いでしょう。
ワックスは蜜蝋系のワックスを使います。
ワックスを塗る前にサンドペーパーの目の細かいもので、木目に沿って軽く研磨してから行うと効果的です。
その後、柔らかい布にワックスを少量とり、木目に沿ってワックスを塗り広げていきます。
ブラッシングをして木材にワックスを馴染ませた後、乾いた布で乾拭きをします。
布が滑るような感覚になり、ワックスがつかなくなったら完了です。
パイン材の家具は適切なお手入れをこまめにしていくことで、経年とともに色合いや風味が増してきます。
長く使うためにも、まずは日常的なお手入れから心がけていきましょう。