メープル材をはじめ天然木材を使用した家具は、時間が経過すると色合いが変化してくるものがあります。
これを経年変化と言いますが、経年変化は防ぐことができるのでしょうか?
メープル材の日頃のお手入れも含めて紹介いたします。
メープル材は乳白色の明るい色合いから、時間経過ともに飴色のような深い色合いに変化していきます。
他の素材と比べるとその変化はゆっくりではありますが、色は確実に変化しています。
では、なぜ色が変わってゆくのでしょうか?
その原因は「カテキン」にあります。
カテキンと言えばお茶をイメージするかと思いますが、メープル、ウォールナット、チェリーなどの木にはカテキンが多く含まれています。
このカテキンが空気に触れて酸化し「タンニン」へ変わると、茶渋のように木にもタンニンが沈着して色が変わってしまいます。
これが経年変化の正体なのです。
メープル材の経年変化は、もともと木の中に含まれるカテキンが酸化してタンニンへ変化して起こる化学反応のため、メープル材が空気に触れている限り経年変化を防ぐことはできません。
ウォールナット材やチェリー材よりも経年変化はゆっくりですが、カテキンが含まれている限り色の変化は避けられません。
ただし直射日光に長時間晒していたり、暖房などが直接当たっていたりする場所では変化が促されやすいため、直射日光や環境の変化はなるべく排除することをおすすめします。
また、テーブルの天板を保護するためにビニールを敷いたりガラスを長時間置くのは、木材に良くないのでやめましょう。
ビニールクロスやガラスを長時間置くことは、塗装被膜の艶が変化したり、木の呼吸を妨げて、反りや割れの原因となると言われているからです。
明らかに劣化した色あせではなく、経年による色の変化を楽しむためには日頃のお手入れが欠かせません。
メープル材の日常的なお手入れは以下の方法をお試しください。
・乾いた清潔な布で毎日こまめに拭く(化学雑巾の使用はNG)
・飲み物や汁物などをこぼした時は乾いた布で素早く拭き取り、その場を乾燥させる
・汚れがついた時は中性洗剤を3%~5%に薄めたぬるま湯を使って、柔らかい布を浸し固く絞った上で拭き取る
メープル材を用いている部分は常に清潔にして乾燥させておく事がベストです。
環境の変化の激しい場所に家具を置いたり、テーブルの上に熱いものを直接置いたりしても影響が出ます。
日頃から丁寧に大切に取り扱うように心がけましょう。